優良ファクタリング会社の見分け方 – 5社利用した経営者が教える選び方

by 田中健一 On 8月 15, 2025

1 min read

正直に言うと、私が初めてファクタリングという言葉を聞いたのは、会社が倒産寸前まで追い込まれた時でした。

創業3年目の夏、主要取引先からの入金が3ヶ月も遅れて、従業員の給料も払えない状況。
妻からは「大丈夫?」と心配され、息子の塾代も滞納しそうになって…。
そんな時、同業者の先輩から「ファクタリングって知ってるか?」と声をかけられたんです。

当時の私は藁にもすがる思いでした。

この記事では、そんな私が8年間で5社を利用し、3億円以上を調達する中で学んだ「本当に信頼できるファクタリング会社の見分け方」を、私の失敗談も交えながら正直にお話しします。

なぜ、ファクタリング会社選びが会社の命運を分けるのか?

私が経験した「天国と地獄」

同じ悩みを持つあなたなら分かると思いますが、資金繰りに困っている時って、冷静な判断が難しいんですよね。

私が初めて利用したファクタ-リング会社は、まさに「地獄の中の蜘蛛の糸」でした。
売掛金800万円に対して、手数料はなんと20%の160万円。
正直、目の前が真っ暗になりましたが、これしか道はなかったんです。
でも、翌日には現金が振り込まれ、無事に給料を払えた時の安堵感は今でも忘れられません。
「高くても会社を救ってくれる最後の砦だ」と、当時は本気でそう思いました。

しかし、その1年後には本当の「地獄」を見ることになります。
少しでも手数料を安くしたい一心で探した別の業者から、手数料30%という法外な金額を提示されたんです。
それだけでなく、契約書には書かれていない追加費用を後から請求されそうになりました。
あの時、契約直前で取引をやめていなかったら…と考えると、今でも背筋が凍ります。

業者選び一つで、会社が救われることもあれば、逆に深みにハマることもある。
これが、私が身をもって学んだ現実です。

手数料の安さだけで選んで大失敗…取引先に頭を下げた話

「手数料が安い方がいいに決まってる」
当時の私は、そう単純に考えていました。

手数料を少しでも抑えようと、取引先の承諾が必要な「3社間ファクタリング」を選んだことがあるんです。
確かに手数料は数パーセント安くなりました。
しかし、その結果、長年付き合いのあった取引先にファクタリングの利用が知られてしまい、「田中さんの会社、もしかして経営が危ないの?」と心配をかけてしまったんです。

慌てて事情を説明し、幸いにも関係が悪化することはありませんでしたが、本当に肝を冷やしました。
目先の数パーセントをケチったせいで、長年築き上げてきた信頼関係を失いかねなかったのです。
この失敗から、手数料の安さだけで業者を選んではいけないと痛感しました。

【私の実践法】優良ファクタリング会社を見抜く5つの着眼点

では、どうすれば本当に信頼できる会社を見つけられるのか?
私の経験から導き出した、5つのチェックポイントをお伝えします。

ポイント1:手数料の内訳を正直に話してくれるか?

「手数料8%です!」という言葉だけを鵜呑みにしてはいけません。
Webで調べれば、2社間ファクタリングの手数料相場が8%~18%程度であることはすぐに分かります。

重要なのは、その内訳です。
手数料の他に、登記費用や印紙代、交通費など、どんな費用が別途かかるのか。
これを契約前にすべて正直に、クリアに説明してくれる会社こそ信頼できます。
私が今のメイン業者に決めた最大の理由も、この「透明性」でした。

ポイント2:あなたの会社の状況を親身に聞いてくれるか?

優良な会社の担当者は、ただの「債権買取屋」ではありません。
「なぜ今、資金が必要なのか」「今後の事業の見通しはどうなのか」といった、あなたの会社の背景までしっかりとヒアリングしてくれます。

私の今の担当者さんとは、もう6年のお付き合いになります。
今では息子の大学受験の話までするような仲です(笑)。
こういう血の通った人間関係が、いざという時に本当に助けてくれるんです。
機械的に手続きを進めるだけの会社は、避けた方がいいでしょう。

ポイント3:「償還請求権なし(ノンリコース)」が明記されているか?

これはもう、絶対条件です。
絶対に譲れません。

「償還請求権なし(ノンリコース)」とは、万が一、売掛先の会社が倒産してしまっても、あなたが返済の義務を負わなくていい、という契約のことです。
これが、ファクタリングが「融資」ではなく「債権の売買」である証拠です。

悪質な業者は、この部分をわざと曖昧にしたり、「実質的な融資」にすり替えようとしたりします。
契約書に「償還請求権なし」または「ノンリコース」の文言がなければ、絶対に契約しないでください。

ポイント4:契約を急かしてこないか?

「今日中に契約していただければ、手数料を特別に下げますよ!」

これは非常に危険なサインです。
私が遭遇した悪質業者の常套句でした。
本当に信頼できる会社は、経営者であるあなたが全ての条件に納得するまで、じっくり待ってくれます。

資金繰りで焦っているこちらの足元を見て、判断を急がせるような業者は絶対に信用できません。

ポイント5:会社の場所や固定電話がはっきりしているか?

当たり前のように聞こえるかもしれませんが、これも意外と重要なポイントです。
公式サイトに会社の住所がきちんと記載されているか。
連絡先が携帯電話の番号だけでなく、固定電話の番号もちゃんとあるか。

私が悪質業者と会った時、なぜか喫茶店での面談ばかりを提案された経験があります。
今思えば、しっかりとした事務所を構えていなかったのかもしれません。
信頼できる事業を行っているなら、事務所を構えているのは当然のことです。

私が実際に断った!悪質業者を避けるための防衛術

契約書で必ずチェックすべき「危険な一文」

私が悪質業者との契約を寸前でやめた時、契約書のある一文に違和感を覚えました。
それは「金銭消費貸借契約」という言葉です。

これはお金の貸し借りを意味する契約で、ファクタリング(債権売買)とは全くの別物です。
これが入っていると、実質的にはヤミ金と同じになってしまう可能性があります。

他にも、「違約金」の項目が法外な金額に設定されていないか、必ず隅々までチェックしてください。
面倒でも、ここを疎かにすると後でとんでもないことになります。

こんなセリフには要注意!悪質業者の常套句リスト

資金繰りに困っていると、つい甘い言葉に乗りたくなってしまいます。
でも、そんな時こそ冷静になってください。
私が実際に言われた、危険なセリフをリストアップしておきます。

  • 「審査なしで即日OKです!」
  • 「誰にも絶対にバレませんから、安心してください」
  • 「ウチが業界で一番安いです」
  • 「他の会社は全部ダメですよ」
  • 「今日だけ、あなただけの特別条件です」

こんな言葉が出てきたら、一度立ち止まって深呼吸してください。
あなたの会社を守るための、大事な防衛術です。

まとめ:あなたの会社と家族を守るために

資金繰りの悩みは、本当に孤独です。
夜も眠れず、従業員や家族の顔を見るのが辛くなる気持ちは、私も痛いほど分かります。

ファクタリングは、そんな私たち中小企業経営者にとって、銀行融 “資とは違う、もう一つの大切な選択肢です。
しかし、業者選びを間違えれば、会社をさらに危険に晒すことになりかねません。

この記事でお伝えしたことを、ぜひ参考にしてください。

  • 手数料やスピードだけでなく、担当者との信頼関係や契約内容の透明性をしっかり見極めること。
  • 「償還請求権なし」は絶対条件。
  • 契約を急かしてくる業者からは、すぐに離れること。

この記事が、かつての私のように一人で悩んでいるあなたの助けになれば、これほど嬉しいことはありません。
あなたの会社と、大切な家族を守るために、どうか慎重に、そして賢明な選択をしてください。

よくある質問(FAQ)

Q: 取引先にファクタリングの利用が知られてしまうことはありませんか?

A: 私の経験上、2社間ファクタリングであれば、基本的には知られることはありません。
ただし、契約書の内容によっては、万が一の際にファクタリング会社から取引先に連絡がいく「債権譲渡通知」の条項が入っている場合があるので、契約書は必ず確認してください。
私は手数料を安くしようと3社間を選んで失敗したので、取引先との関係を重視するなら2社間をおすすめします。

Q: 手数料の相場はどれくらいですか?高すぎると感じたら断るべきですか?

A: 私の経験とWebの情報を見ても、2社間なら8%~18%、3社間なら2%~9%あたりが相場感ですね 。
初めて利用した時は20%と高かったですが、それでも会社が助かりました。
ただ、相場を大幅に超える30%などを提示されたら、悪質業者の可能性が高いです。
必ず複数社から見積もりを取り、納得できなければ勇気を持って断ってください。

Q: 審査では何を見られますか?赤字決算だと難しいですか?

A: 銀行融資と違って、ファクタリングの審査で一番重要なのは、あなたの会社ではなく「売掛先の信用力」です。
ですから、自社が赤字決算や債務超過でも利用できるケースは多いです。
私も事業拡大で赤字になった年に利用しましたが、問題ありませんでした。
そこがファクタリングのありがたいところやで。

Q: 個人事業主でも利用できますか?

A: はい、利用できる会社はたくさんあります。
ただ、会社によっては法人しか受け付けていない場合や、「債権譲渡登記」が必須で事実上個人事業主は難しい場合もあるので、事前に確認することが大切です。

Q: 契約に必要な書類は何ですか?

A: 一般的には、売掛金の存在がわかる請求書や契約書、通帳のコピー、決算書(または確定申告書)などですね。
会社によって多少の違いはありますが、優良な会社ほど、しっかりとした書類の提出を求めてくる印象です。
逆に、ほとんど書類が要らないという会社は少し注意した方がいいかもしれません。