ファクタリング業界の最新動向 – デジタル化で何が変わった?

by 田中健一 On 8月 29, 2025

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正直に言うと、私が初めてファクタリングを使った8年前は、今とは全くの別世界でした。

会社が倒産寸前で、藁にもすがる思いで利用した時の手数料は20%。
分厚い書類を何枚も用意して、対面での面談。
入金まで数日かかったあの時の焦りは、今でも忘れられませんわ。

それが今や、事務所のパソコンやスマホ一つで、申し込みから入金までが1日で終わる時代になったんですから驚きです。

この「デジタル化」の流れは、我々中小企業の経営者にとって大きな味方です。
しかし、便利なことばかりに目を向けていると、思わぬ落とし穴にはまることもある。

この記事では、私の8年間の経験を元に、ファクタリングのデジタル化で具体的に何がどう変わったのか、そしてそのメリットと、経営者として知っておくべき注意点を、包み隠さずお話ししようと思います。

私がファクタリングを使い始めた頃と、今の違い

昔はこれが当たり前やった…8年前のファクタリング体験

私が初めてファクタリングを利用したのは2016年のことです。
主要な取引先からの入金が遅れて、従業員の給料も払えない、まさに火の車でした。

当時は、まずファクタリング会社の事務所まで出向いて、担当者と面談するのが当たり前。
銀行融資と同じくらい、決算書や事業計画書といった山のような書類を求められました。

審査にも数日はかかりましたね。
「本当に審査に通るんやろか」「間に合わなかったらどうしよう」と、入金を待つ間は生きた心地がしませんでした。

そして何より衝撃だったのが、手数料の高さです。
初回はなんと20%。
800万円の売掛金に対して、160万円も手数料で引かれたんです。
正直、目眩がしました。

あの時は、「高くても会社を救ってくれる最後の砦や」と自分に言い聞かせてましたけど、本当に厳しい経験でした。

今はこんなに便利に!デジタル化がもたらした劇的な変化

それに比べて、今のオンラインファクタリングは本当に便利になりました。

事務所のパソコンやスマホから申し込めて、必要書類も請求書と通帳のコピーをアップロードするだけ、なんてことも珍しくありません。
AIが審査してくれるおかげで、早ければ数時間で結果が出て、その日のうちに入金されることもあります。

隔世の感がありますわ。
あの時の苦労は何やったんやろ、と思いますね。
手数料も、昔に比べるとずいぶん分かりやすく、安くなったと感じています。

ファクタリングのデジタル化で何が変わった?【経営者目線の5大変化】

私の経験から見て、このデジタル化で特に大きく変わったと感じる点は5つあります。

1. 申込みから入金までがオンラインで完結

一番の変化は、やはりこれでしょう。
すべての手続きがオンラインで終わるんです。

昔は、わざわざ大阪市内の業者まで電車で1時間かけて行ってました。
移動時間も馬鹿になりませんし、面談の準備も大変でしたから。

それが今では、事務所のデスクに座ったまま、誰にも会わずに資金調達ができてしまう。
この手軽さとスピードは、時間に追われる我々経営者にとって、本当にありがたいことです。

2. AI審査で入金スピードが劇的に向上

AI審査の導入は、まさに革命的やと思います。
昔は担当者が一件一件、書類をチェックして審査していたので、どうしても時間がかかりました。

今はAIが瞬時に売掛先の信用情報などを分析してくれるので、審査結果が出るまでが本当に早い。

急な設備トラブルで現金が必要になった時や、従業員の給料日間際に資金がショートしそうになった時、あのスピード感は本当に心強い味方になります。

3. 必要書類が少なくなり、手間が大幅に削減

昔は決算書3期分や印鑑証明書など、役所に取りに行かないといけない書類も多くて、準備だけで一苦労でした。

今は、請求書と数ヶ月分の通帳コピーさえあれば申し込めるサービスが増えました。
これなら、経理担当者がいない小さな会社でも、社長自身がスマホ一つでパッと準備できますやんか。
この手間の削減は、本当に大きいと思います。

4. 手数料が分かりやすく、安くなった

オンライン化でファクタリング会社も人件費や店舗の家賃といったコストを抑えられるようになった結果、手数料が全体的に安くなる傾向にあります。

昔は10%〜20%が当たり前でしたが、今ではオンラインの2社間ファクタリングなら数%台から利用できるところも出てきています。

それに、サイト上に手数料がはっきりと書かれていることが多いので、透明性が高まったのも嬉しい変化です。
私が過去に遭遇した悪質業者のように、後からよく分からない追加費用を請求される、なんて心配が減ったのは大きいですね。

5. 小口の売掛金でも利用しやすくなった

昔は「最低でも300万円から」といった感じで、ある程度まとまった金額でないと扱ってくれない業者も多かったです。

でも今は、数万円といった小口の請求書でも買い取ってくれるオンラインサービスが増えました。
これにより、個人事業主の方やフリーランスの方など、これまでファクタリングを利用しにくかった人たちにも門戸が開かれたと言えるでしょう。

デジタル化のメリットだけじゃない!私が経験から学んだ注意点

ここまで良いことばかり話してきましたが、便利なことには必ず裏があります。
私の失敗から学んだ注意点も、正直にお話しさせてください。

手軽さゆえの「使いすぎ」には要注意

「いつでもスマホで申し込める」という手軽さは、諸刃の剣です。
正直、私も最初は便利すぎて、つい安易に頼りそうになりました。

でも、ファクタリングはあくまで銀行融資などが間に合わない時の緊急手段。
常用癖がついてしまうと、手数料の負担がじわじわと経営を圧迫していきます。

便利な時代だからこそ、「これは本当に今、必要な資金か?」と一歩立ち止まって考える冷静さが必要です。

担当者の顔が見えないことのメリット・デメリット

オンライン完結は、しつこい営業や強引な勧誘がないというメリットがあります。
一方で、会社の複雑な事情を汲み取ってもらったり、親身に相談に乗ってもらったりするのが難しいというデメリットもあるんです。

私が今メインで使っているファクタリング会社は、担当者の方と6年来のお付き合いです。
事業の状況もよく理解してくれていて、時には資金繰りの相談に乗ってもらうこともあります。

手数料の安さも大事ですが、困った時に親身に相談に乗ってくれる相手かどうか。
これも業者選びの大事な判断基準やで、と私は思います。

オンラインでの契約、契約書は必ず隅々まで確認を!

電子契約は本当に便利です。
クリック一つで契約が完了しますから。

でも、その手軽さが一番の落とし穴なんです。
私自身、昔、契約書をよく読まずにサインして、後から契約書にない追加費用を請求された苦い経験があります。

面倒でも、契約書は一言一句、必ず自分の目で確認してください。
分からない言葉があれば、納得できるまで質問する。
「こんなこと聞いて恥ずかしい」なんて思う必要は全くありません。
あなたの会社と、従業員、そして家族を守るためです。

よくある質問(FAQ)

Q: オンラインファクタリングって、本当に安全なんですか?

A: はい、ほとんどの業者は真面目に営業していますが、残念ながら中には悪質な業者も紛れています。
見分けるポイントは、手数料が相場からかけ離れて高くないか、契約内容をしっかり説明してくれるか、会社の所在地や連絡先が明記されているか、などですね。
私の経験上、焦って一社に決めず、必ず複数の会社を比較検討することが一番の防御策になります。

Q: デジタルにあまり詳しくない経営者でも使えますか?

A: 大丈夫です。
今のオンラインファクタリングは、スマホの操作に慣れていれば誰でも使えるように、とても分かりやすく作られています。
請求書をスマホのカメラで撮って送るだけ、という簡単なサービスも多いですよ。
もし不安なら、電話でのサポートが充実している会社を選ぶと安心やと思います。

Q: AI審査では、会社の赤字決算なども見られるのでしょうか?

A: AI審査で最も重視されるのは、あなたの会社そのものではなく「売掛先の信用力」です。
ですから、たとえ自社が赤字決算であったり、税金を滞納していたりしても、売掛先がしっかりした優良企業であれば、審査に通る可能性は十分にあります。
これは銀行融資との大きな違いで、我々中小企業にとっては本当にありがたい点ですね。

Q: 手数料が安いオンライン業者と、少し高くても担当者がいる対面業者、どちらがいいですか?

A: これはあなたの会社の状況によりますね。
とにかく1円でも安く、スピーディーに資金が必要ならオンライン型が向いています。
一方で、取引額が大きい場合や、今後の資金繰りについても相談したいという場合は、信頼できる担当者がいる対面型も選択肢に入れるべきです。
ちなみに私は、普段の少額なつなぎ資金はオンライン、大きな設備投資の相談などは対面の担当者、というように使い分けています。

Q: 3社間ファクタリングはオンラインでは利用できないのですか?

A: 多くのオンラインファクタリングは、スピードを重視するため2社間ファクタリング専門です。
3社間は売掛先(取引先)の承諾が必要で、手続きがどうしても複雑になるため、オンライン完結には向いていないんです。
私も昔、手数料の安さだけで3社間を選んで、取引先との関係が悪化してしまった経験があるので、利用は慎重に判断すべきやと思います。

まとめ

私がファクタリングを使い始めた8年前に比べ、デジタル化のおかげで本当に便利で、身近な資金調達手段になりました。
オンラインでスピーディーに、しかも昔より安い手数料で利用できるようになったのは、我々中小企業の経営者にとって間違いなく追い風です。

しかし、忘れてはいけないのは、どんなに便利になっても、これは会社の未来を左右する大切なお金の話だということです。

  • 手軽さだけに目を奪われず、その裏にある注意点もしっかり理解する。
  • たくさんの選択肢の中から、今の自分の会社にとって本当に最適なものを見極める。

その視点が何より重要です。

この記事が、資金繰りに悩むあなたの助けに、そしてあなたの会社と家族を守るための一助になれば、これほど嬉しいことはありません。
一人で悩まず、正しい情報を武器に、この厳しい時代を一緒に乗り越えていきましょう。