悪質ファクタリング業者に騙されそうになった恐怖体験

by 田中健一 On 9月 25, 2025

1 min read

正直に言うと、私が「悪質業者」という言葉の本当の怖さを知ったのは、会社設立から4年目のことでした。

資金繰りに追われ、藁にもすがる思いでファクタリング会社を探していた時の話です。
あの時は本当に焦りました。
従業員の給料、仕入れ先への支払い…考えるだけで胃がキリキリする毎日。

そんな時、一見すると救世主のように思えた業者と出会ったんです。
しかし、その先に待っていたのは、巧妙に仕掛けられた罠でした。

この記事では、同じように資金繰りで悩む経営者のあなたが、私と同じ過ちを犯さないために、私の恐怖体験を包み隠さずお話ししようと思います。

あの時は本当に崖っぷちだった。悪質業者に声をかけるまでの経緯

創業4年目、突然の資金ショート

あれは2017年の3月のことでした。
創業から4年が経ち、従業員も10名を超え、事業も少しずつ軌道に乗ってきたと感じていた矢先のことです。

主要な取引先からの入金が、突然遅れたんです。
銀行に融資を相談しても、審査に時間がかかると言われ、手元の現金は日に日に減っていく。
従業員10名の生活が、私の両肩に重くのしかかっていました。

「今月の給料、払えるんか…?」
夜も眠れず、資金繰り表とにらめっこする日々。
本当に崖っぷちに立たされている気分でした。

「手数料3%!」甘い言葉に飛びついてしまった

そんな時、インターネットで「業界最安値!手数料3%~」という広告が目に飛び込んできました。
当時の私には、それが蜘蛛の糸に見えたんです。

すぐに電話をすると、担当者は非常に物腰が柔らかく、親身になって私の話を聞いてくれました。
「社長、大変でしたね。うちならすぐに対応できますよ」
その言葉に、どれだけ救われたことか。

これで助かった、と心底ホッとしました。
今思えば、この時点で私は冷静な判断力を失っていたんです。

契約当日、担当者の豹変と契約書に隠された「罠」

「話が違う…」提示された衝撃の手数料

数日後、契約のためにその業者の事務所を訪れました。
しかし、部屋に通されると、電話口であれほど優しかった担当者の態度が、どこか横柄なものに変わっていることに気づきました。

そして、契約書を見て、私は言葉を失いました。
そこに書かれていた手数料は、なんと「手数料30%」

「話が違うじゃないですか!3%って…」
思わず声を上げると、担当者は悪びれもせずにこう言いました。
「ああ、あれはあくまで最低手数料の場合でして。御社の状況だと、この数字になります」
正直、頭が真っ白になりました。

契約書に潜む悪魔の条項「償還請求権」

さらに追い打ちをかけたのが、契約書に小さく書かれていた「償還請求権」という文字でした。

「万が一、売掛先が倒産したら、社長が代わりに全額返済する義務がある」
そんな内容でした。

これでは単なる借金と同じやんか、と。
ファクタリングは、売掛債権を「売却」して、そのリスクごと買い取ってもらうもののはず。
これでは、売掛債権を担保にした、ただの高利な融資と何ら変わりません。

「出張費」「事務手数料」次々と出てくる不明瞭な費用

契約書をよく見ると、30%の手数料以外にも「出張査定費」「契約書作成費」といった、事前に一切説明のなかった費用がいくつも記載されていました。

すべてを計算すると、手元に残る現金は、お願いした売掛金の半分以下になる計算でした。
これでは何のために資金調達するのか分からない…。
絶望的な気持ちで、ただ契約書を眺めることしかできませんでした。

私が契約を踏みとどまれた理由と、その後の行動

妻の一言が私を救った

「今契約しないと、御社の資金繰り、間に合いませんよ」
担当者の強いプレッシャーに、私は屈しそうになっていました。
もうこれしかないのか、と。

その時、ふと妻の顔が思い浮かび、私は「少しだけ妻に電話させてください」と頼んで席を外しました。
事情を話すと、電話口の妻は、普段の穏やかな口調とは全く違う、厳しい声でこう言ったんです。

「そんなおかしな話、絶対にハンコ押しちゃダメ!」

その強い言葉で、私はハッと我に返りました。
そうだ、俺は何を焦っているんだ。
家族を、従業員を守るために、こんな怪しい契約をしていいはずがない。

勇気を出して取引を中止。そして優良業者との出会いへ

事務所に戻り、私は勇気を振り絞って「この契約はできません」と伝えました。
担当者は舌打ちをし、捨て台詞を吐いていましたが、もう気になりませんでした。

もちろん、契約を断ったからといって、資金繰りの問題が解決したわけではありません。
不安な気持ちは変わりませんでした。

しかし、この痛い失敗を教訓に、私は改めて複数の業者を慎重に比較検討しました。
そして出会えたのが、今でもメインでお付き合いしている優良なファクタリング会社です。
この経験が、後の事業拡大の大きな礎になったことは言うまでもありません。

失敗から学んだ!悪質ファクタリング業者を見抜く5つのチェックポイント

私の苦い経験から、同じ経営者のあなたに伝えたい、悪質業者を見抜くための5つのポイントがあります。

1. 手数料が相場からかけ離れていないか?

2社間ファクタリングの手数料相場は、一般的に8%~20%程度と言われています。
これを大幅に超える高額な手数料や、「3%~」といった不自然に低すぎる手数料を提示してくる場合は、まず疑ってかかるべきです。

2. 契約書に「償還請求権」の記載はないか?

ファクタリングは、売掛金の回収リスクごと買い取ってもらう「ノンリコース契約」が基本です。
契約書に「償還請求権」や「買戻し特約」といった文言があれば、それはファクタリングを装った貸付(闇金)の可能性が非常に高いです。

3. 見積もり以外の追加費用を請求してこないか?

契約の段階になってから、見積書になかった「事務手数料」や「調査費」などの名目で追加費用を請求してくるのは、悪質業者の常套手段です。
必ず契約前に、総額でいくらになるのか、書面で明確にしてもらいましょう。

4. 契約を異常に急がせてこないか?

「今日だけこの条件です」「今すぐ契約しないと間に合いません」
このように決断を急がせるのは、あなたから冷静な判断力を奪うための手口です。
どんなに急いでいても、必ず一度持ち帰って検討する時間を取りましょう。

5. 会社の所在地や固定電話は明確か?

公式サイトに会社の住所がきちんと記載されているか、連絡先が携帯電話だけでなく固定電話の番号も明記されているか。
こんな基本的なことですが、非常に重要です。
会社の信頼性を測る、最低限のチェックポイントだと考えてください。

よくある質問(FAQ)

Q: ファクタリングは闇金と同じで違法ではないのですか?

A: 私も最初はそう思っていましたが、ファクタリング自体は国も認めている正当な資金調達方法です。
売掛債権という資産を「売買」する取引で、お金を「借りる」融資とは全くの別物。
ただし、私の体験のように、ファクタリングを装って法外な金利でお金を貸し付けようとする悪質な業者がいるのも事実なので、その見極めが本当に大切です。

Q: 契約書の内容が難しくてよく分かりません。

A: その気持ち、痛いほど分かります。
専門用語も多いですしね。
でも、分からないまま絶対にサインしてはいけません。
私の経験では、優良な会社の担当者は、こちらが納得するまで丁寧に説明してくれます。
もし説明を渋ったり、ごまかしたりするようなら、その業者は信用しない方がいいでしょう。
弁護士など専門家に相談するのも一つの手やで。

Q: 手数料が高くても、すぐに現金が必要な場合は利用すべきでしょうか?

A: 非常に難しい判断だと思います。
私も最初は「高くても会社を救えるなら」と思いましたから。
でも、法外な手数料は、その場をしのげても、結局は将来の資金繰りをさらに悪化させるだけです。
目先の現金に飛びつく前に、本当にその手数料が妥当なのか、一度立ち止まって考えてみてください。
私の失敗が、あなたの冷静な判断の助けになれば嬉しいです。

Q: もし悪質業者と契約してしまったら、どうすればいいですか?

A: 私自身は契約寸前で回避できましたが、もし契約してしまった場合は、一人で悩まずにすぐに専門家に相談してください。
警察や、弁護士、司法書士といった法律のプロに相談するのが一番です。
「恥ずかしい」とか「自分のせいだ」なんて思う必要はありません。
あなたの会社と家族を守るために、勇気を出して行動してください。

Q: 2社間と3社間ファクタリング、どちらが悪質業者に狙われやすいですか?

A: 私の経験や同業者から聞く話では、やはり2社間ファクタリングの方が悪質業者が紛れ込みやすいようです。
取引先に知られずに済む手軽さがある反面、ファクタリング会社にとってはリスクが高くなるので、どうしても手数料が高くなりがち。
その仕組みを悪用する業者がいるんやと思います。
手数料を抑えたいなら3社間も検討すべきですが、取引先との関係性も重要なので、慎重に選ぶ必要がありますね。

まとめ

今回は、私が経験した悪質ファクタリング業者との恐怖体験についてお話ししました。

今思えば、あの時の私は本当に視野が狭くなっていました。
資金繰りのプレッシャーで、正常な判断ができなくなっていたんです。

あなたも今、同じような状況にいるかもしれません。
でも、忘れないでください。
どんなに追い詰められても、安易な決断だけはしてはいけません。

私の失敗談が、あなたの会社を、そしてあなたの家族を守るための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。
資金繰りの悩みは孤独ですが、あなたは一人じゃありません。
正しい知識を身につけ、慎重に業者を選べば、ファクタリングは必ずあなたの会社の力になってくれます。

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