ファクタリングの手数料相場は?8年間の利用で分かった適正価格

by 田中健一 On 9月 17, 2025

1 min read

正直に言うと、私が初めてファクタリングを使った時、手数料は20%でした。

800万円の売掛金に対して160万円。
血の気が引くような金額でしたが、従業員の給料と会社の存続がかかっていたので、他に選択肢はありませんでした。

あれから8年。
今では5%程度で利用できる優良な会社さんとお付き合いさせてもらってます。

きっと、この記事を読んでくれているあなたも、当時の私と同じように「この手数料、本当に適正なのか?」と不安に思っているのではないでしょうか。
私の失敗と成功の経験が、あなたの会社と家族を守るための判断材料になれば嬉しいです。

私が経験したファクタリング手数料の「天国と地獄」

初めてのファクタリング:手数料20%の衝撃

あれは創業3年目の夏のことでした。
主要な取引先からの入金が、突然3ヶ月も遅れることになったんです。

会社のキャッシュはみるみる減っていき、従業員の給料日が刻一刻と迫ってきます。
妻からは「大丈夫?」と毎日心配され、息子の塾代も滞納しそうな状況でした。

銀行に融資を相談しても「審査に2週間はかかります」と言われ、万策尽きた…と頭を抱えていた時、同業者の先輩から「ファクタリング」という方法を教えてもらいました。

藁にもすがる思いで連絡した会社で提示されたのが、売掛金800万円に対して手数料20%、つまり160万円という金額でした。
正直、愕然としました。
「高すぎる…」と思いましたが、ここで会社を潰すわけにはいかない。
従業員とその家族の顔が目に浮かびました。

決断して申し込むと、翌日には本当に現金が振り込まれたんです。
あの時の安堵感は今でも忘れられません。
手数料は高かったですが、「会社を救ってくれる最後の砦」だと痛感した出来事でした。

悪質業者との遭遇:手数料30%と追加費用の罠

ファクタリングにも少し慣れてきた頃、「もっと手数料を安くできないか」と考えるようになりました。
そんな時、インターネットで見つけた「業界最安値!」と謳う業者に連絡してしまったんです。
これが大きな失敗でした。

電話口では良いことばかり言うのですが、いざ見積もりを取ると、提示された手数料はなんと30%超え。
さらに、契約書をよく見ると、隅の方に小さな文字で「事務手数料」「調査費用」といった追加費用が書かれていました。

危うく契約するところでしたが、直感的に「これはおかしい」と感じて取引を中止しました。
今思えば、あの時の私は本当に甘かったんです。
この経験から、契約書を隅々まで確認することの重要性と、相場からかけ離れた手数料を提示する業者の危険性を学びました。

優良業者との出会い:手数料が5%になった理由

悪質な業者との遭遇に懲りて、今度は慎重に複数の会社を比較検討しました。
その中で出会ったのが、今メインで利用させてもらっている会社です。

最初は10%前後の手数料でしたが、継続的に利用する中で信頼関係が生まれ、徐々に手数料を下げてもらえるようになりました。
「いつもありがとうございます。今回は8%でどうですか?」
「田中さんのところは、取引先も大手で安心なので、7%まで頑張りますよ」
といった具合です。

売掛先の信用力を示すために過去の入金履歴がわかる通帳のコピーを提出したり、担当者の方とこまめに情報交換したり。
そうした地道な積み重ねが実を結び、今では5%という手数料で利用できるようになりました。
結局は、人と人との付き合いなんやな、と実感しています。

そもそもファクタリングの手数料相場ってどれくらい?

【基本】2社間と3社間ファクタリングの違いと手数料相場

私の経験ばかり話してしまいましたが、ここで一般的な手数料の相場についてお伝えしますね。
ファクタリングには、大きく分けて「2社間」と「3社間」の2種類があります。

  • 2社間ファクタリング
    • あなたとファクタリング会社の2社だけで契約する方法です。
    • 取引先に知られずに資金調達できるのが最大のメリットです。
    • 手数料の相場は8%~18%と、少し高めに設定されています。
    • これは、ファクタリング会社が売掛先から直接お金を回収できない分、未回収リスクを負うためです。私が最初に利用したのも、この2社間でした。
  • 3社間ファクタリング
    • あなたとファクタリング会社、そして売掛先の3社で契約する方法です。
    • 売掛先にファクタリング利用の承諾を得る必要があります。
    • 手数料の相場は2%~9%と、かなり安くなるのが特徴です。
    • ファクタリング会社が売掛先に直接請求できるので、未回収リスクが低くなるからです。

なぜ手数料にこんなに差が出るのか?私の経験で分かった5つの要因

同じ2社間ファクタリングでも、手数料は状況によって大きく変わります。
私の8年間の経験で分かった、手数料を決める主な要因は以下の5つです。

  1. 売掛先の信用力
    これは一番大きいですね。やはり、誰もが知っているような大手メーカーの売掛金は、ファクタリング会社から見ても安心なので手数料が安くなりました。逆に、設立して間もない会社や、あまり評判の良くない会社の売掛金は、手数料が高くなる傾向があります。
  2. 売掛金の金額
    意外かもしれませんが、少額の売掛金を何度も利用するより、ある程度まとまった金額の売掛金を資金化する方が、手数料率は下がりやすかったです。ファクタリング会社にとっても、手続きの手間は同じなので、金額が大きい方が利益も大きくなるからでしょうね。
  3. 支払い期日までの期間
    売掛金の入金日が近い案件ほど、手数料は安くなります。ファクタリング会社からすれば、お金を回収するまでの期間が短い方がリスクも少ない、ということです。
  4. あなたの会社との取引実績
    先ほどもお話しした通り、同じファクタリング会社を継続して利用することで、「この会社はちゃんと期日通りに入金してくれる」という信用が積み重なっていきます。この信用が、手数料の引き下げに繋がるんです。
  5. 債権譲渡登記の有無
    少し専門的な話になりますが、「債権譲渡登記」という手続きが必要な場合があります。これは、売掛金を譲渡したことを法的に示すためのものですが、この登記費用が手数料に上乗せされることがあります。 登記が不要な会社を選ぶのも、費用を抑える一つの手です。

【実践編】私が手数料を20%から5%に下げた具体的な方法

まずは相見積もり!最低3社は比較すること

面倒くさがったらアカン、これが鉄則です。
初めての時は焦っていて1社にしか連絡しませんでしたが、今は必ず最低3社から見積もりを取るようにしています。

驚くことに、同じ売掛金でも会社によって手数料が倍近く違うこともありました。
複数の会社を比較することで、初めて自分のケースでの「適正価格」が見えてきます。
これが、損をしないための第一歩です。

取引先の「信用力」を示す資料を準備する

ファクタリング会社の担当者も人間です。
「この売掛先は、これまで一度も支払いが遅れたことがない優良企業なんですよ」と口で言うだけでなく、それを証明する資料を準備しましょう。

私が実際に準備して効果があったのは、

  • 過去の入金履歴がわかる通帳のコピー
  • 長年の取引実績がわかる基本契約書
  • 取引先とのメールのやり取り

などです。
こうした一手間が、「この会社は信頼できる」という評価に繋がり、交渉を有利に進めてくれます。

3社間ファクタリングの失敗から学んだこと

手数料を少しでも下げたい一心で、一度だけ3社間ファクタリングに挑戦したことがあります。
結果から言うと、これは失敗でした。

長年の付き合いがある取引先だったので「大丈夫だろう」と高を括っていたのですが、ファクタリングの利用を伝えた途端、担当者の顔が曇ったんです。
「もしかして、御社の経営状況は良くないんですか?」と心配されてしまい、関係が少しギクシャクしてしまいました。

幸い、その後しっかり説明して関係は修復できましたが、ヒヤリとしました。
手数料が安いというメリットだけで飛びつかず、取引先との今後の関係性を慎重に考える必要があると痛感した出来事です。

担当者と信頼関係を築くのも大事なこと

結局は、人と人との付き合いやから、と私は思っています。
手数料の交渉ももちろん大事ですが、日頃から担当者の方と良好な関係を築いておくことも、同じくらい大切です。

今の担当者の方とはもう6年のお付き合いになりますが、資金繰りの相談だけでなく、時には家族の話をすることもあります。
先日、急な設備故障でまとまったお金が必要になった時も、電話一本で親身に相談に乗ってくれて、本当に助かりました。
ビジネスライクな関係以上の繋がりが、いざという時に会社を救ってくれることもあるんです。

よくある質問(FAQ)

Q: 初めての利用で手数料20%と言われましたが、高すぎますか?

A: 正直に言うと、高い部類に入ります。私も初回はそうでした。ただ、会社の状況や売掛先によっては、それくらいの提示になることもあります。重要なのは、それが適正な範囲なのか見極めるために、必ず他の会社にも見積もりを依頼することです。1社だけの話で決めないでください。

Q: 手数料以外に費用はかかりますか?

A: かかる場合があります。私も昔、契約書に小さく書かれていた「事務手数料」や「登記費用」で驚いたことがあります。 見積もりをもらう段階で「手数料以外に、最終的に振り込まれるまでに引かれる費用はありますか?」とハッキリ聞くことが大切です。

Q: 手数料は交渉で安くなりますか?

A: はい、交渉できる可能性は十分にあります。特に、他社の見積もりを提示したり、売掛先の信用力を示す資料を追加で提出したりすると、有利に進むことがあります。 私も今の会社とは、何度も話し合って手数料を見直してもらいました。

Q: あまりに手数料が安すぎる業者も怪しいですか?

A: その通りです。相場から極端に安い手数料を提示して、後から追加費用を請求する悪質な業者もいます。 私も危ない目に遭いました。「安さ」だけで飛びつかず、会社の信頼性や契約内容をしっかり確認することが、自分の会社を守ることに繋がります。

Q: 3社間ファクタリングの方が手数料が安いなら、そっちを選ぶべきですか?

A: 手数料だけ見れば魅力的ですが、慎重に判断すべきです。取引先にファクタリングの利用を知られても問題ないか、今後の関係に影響はないか、よく考えてください。私は一度失敗して、取引先に頭を下げに行きました。会社の状況によって最適な方法は変わります。

まとめ

8年前、手数料20%でファクタリングを利用した時は、正直「高い買い物をした」と思いました。
でも、あのお金があったからこそ、会社も従業員も家族も守れたんです。

ファクタリングの手数料は、会社の状況や選び方次第で大きく変わります。

私の8年間の経験から言えるのは、

  • 最初から諦めないこと
  • 面倒くさがらずに複数社を比較すること
  • そして、信頼できる担当者を見つけること

です。

この記事が、資金繰りに悩むあなたの助けになり、会社と大切な家族を守るための一歩に繋がれば、これほど嬉しいことはありません。
一人で悩まず、正しい情報を武器に、この危機を乗り越えていきましょう。

Related Posts

9月

8

2025

正直に言うと、私も最初は「手数料が安い」という言葉に飛びつい...

8月

5

2025

正直に言うと、私が初めて「ファクタリング」という言葉を知った...