正直に言うと、私が初めてファクタリングという言葉を知ったのは、会社が倒産寸前まで追い込まれた時でした。
創業3年目、主要取引先からの入金が3ヶ月も遅れて、従業員の給料も払えない状況。
妻からは「大丈夫?」と心配され、息子の塾代も滞納しそうになって…。
そんな時、同業者の先輩から紹介されたファクタリングの手数料は、なんと20%。
あまりの高さに愕然としましたが、会社を、そして家族を守るためには他に選択肢がありませんでした。
あれから8年。
今では手数料5%で、何でも相談できるパートナーのような業者さんとお付き合いできています。
この道のりは決して平坦ではありませんでした。
同じように資金繰りで悩むあなたに、私の失敗と成功のすべてをお話しすることで、少しでもお役に立てればと思っています。
目次
なぜ私は手数料20%からスタートしたのか? – 最初の失敗談
会社が倒産寸前…藁にもすがる思いだった初回利用
今でもあの時のことを思い出すと、胸が締め付けられるようです。
2016年の初夏、創業して3年が経ち、事業も少しずつ軌道に乗り始めた矢先のことでした。
売上の約4割を占めていた、一番大きな取引先からの入金が、突然パタリと止まったんです。
理由は、その取引先の親会社の業績不振。
「支払いは3ヶ月待ってほしい」と一本の電話があったきり、担当者からの連絡も途絶えがちになりました。
頭の中が真っ白になりました。
手元の資金はあっという間に底をつき、来週に迫った従業員10人分の給料が払えない。
材料を仕入れた下請けさんへの支払いも待ってもらっている状態。
毎日、会社の電話が鳴るたびにビクッとしていました。
銀行に追加融資を相談に行きましたが、「審査に最低でも2週間はかかります」と、にべもない返事。
2週間も待てない、来週には不渡りを出してしまう。
そうなれば、会社は倒産です。
夜、家に帰っても眠れず、一人リビングで資金繰り表とにらめっこする日々。
妻が「大丈夫…?」と心配そうに声をかけてくれますが、「ああ、大丈夫や」と答えるのが精一杯。
本当は大丈夫じゃないことなんて、妻はとっくに気づいていたと思います。
高校受験を控えた息子の塾の月謝も、払える見込みが立っていませんでした。
従業員の顔を見るのが、本当につらかった。
みんな、私を信じてついてきてくれている。
その家族の生活も、私の双肩にかかっている。
「社長、来月の給料、大丈夫ですよね?」なんて聞かれるはずもないですが、彼らの不安な視線が突き刺さるようでした。
もうダメかもしれない。
すべてを諦めかけた時、一本の電話が鳴りました。
同業者で、昔からお世話になっている先輩社長からでした。
事情を話すと、先輩は静かにこう言ったんです。
「田中くん、ファクタリングって知ってるか?」
「手数料の高さ」よりも「会社の存続」が最優先だった
ファクタリング。
その言葉を、私はその時初めて聞きました。
売掛債権、つまり「未来にもらえるはずのお金」を買い取ってもらって、すぐ現金化できるサービスだと。
藁にもすがる思いで、先輩に紹介されたファクタリング会社に連絡しました。
必要な書類をかき集めて事務所に持ち込むと、担当者はすぐに審査を始めてくれました。
そして、数時間後に出てきた見積もりを見て、私は言葉を失いました。
売掛金:800万円
手数料:20%(160万円)
買取金額:640万円
手数料が、160万円…。
頭をガツンと殴られたような衝撃でした。
800万円の仕事をして、手元に残るのは640万円。
汗水流して稼いだお金の2割が、一瞬で消えてなくなる。
正直、「ヤミ金と変わらないじゃないか」とさえ思いました。
しかし、私に選択肢はありませんでした。
ここでこの640万円を手にしなければ、会社は終わる。
従業員は路頭に迷い、家族にもっと辛い思いをさせてしまう。
天秤にかけたのは、「160万円という大金」と「会社の未来、従業員と家族の生活」でした。
答えは、決まっています。
「お願いします」
震える声でそう言うと、担当者は慣れた手つきで契約書を用意しました。
その時の記憶は、今でも鮮明です。
契約書にサインする自分の手が、やけに重く感じられました。
悔しさ、情けなさ、そして、ほんの少しの安堵。
いろんな感情がごちゃ混ぜになって、涙が出そうになるのを必死でこらえました。
翌日、会社の口座に640万円が振り込まれているのを確認した時、全身の力が抜けました。
まずは従業員の給料を、そして下請けさんへの支払いを済ませる。
その当たり前のことができただけで、心からホッとしました。
これが、私のファクタリングとの出会いです。
手数料20%は、確かに衝撃的な高さでした。
でも、あの時の私にとっては、会社を救ってくれた最後の砦だったことも、また事実なのです。
手数料だけじゃない!私が経験した業者選びの落とし穴
最初の危機を乗り越えた後も、私の会社の資金繰りは不安定なままでした。
製造業というのは、どうしても材料の仕入れが先で、入金が後になる。
そのため、繁忙期になるとどうしても資金がショートしがちで、ファクタリングに頼らざるを得ない状況が続きました。
「少しでも手数料を安くしたい」
その一心で、私はインターネットで別のファクタリング会社を探し始めました。
しかし、この安易な行動が、新たな失敗を招くことになるのです。
契約書を軽視して大失敗…悪質業者の巧妙な手口
2017年の春頃だったと思います。
ネットで見つけた、あるファクタリング会社のウェブサイトには「業界最安値!手数料3%〜」と、魅力的な言葉が並んでいました。
すぐに連絡を取り、担当者と会うことに。
その担当者は非常に口がうまく、「御社の状況なら、手数料はかなりお安くできますよ」と期待を持たせることばかり言います。
しかし、いざ見積もりを出してもらうと、提示された手数料は15%。
「話が違うじゃないか」と思いましたが、「初回ですし、審査の結果これが限界でして…」と、言いくるめられてしまいました。
今思えば、この時点でおかしいと気づくべきでした。
しかし、当時の私は「それでも前の20%よりはマシか」と、判断が鈍っていたんです。
そして、契約の段になって、私は決定的なミスを犯します。
分厚い契約書を渡されましたが、専門用語ばかりで読むのが面倒になり、担当者の説明を鵜呑みにしてしまったのです。
「大事なところは全部説明しましたから」という言葉を信じ、ろくに中身を確認せずにサインしてしまいました。
数日後、入金された金額を見て、私は愕然としました。
手数料15%を差し引いた金額よりも、さらに数十万円も少なかったのです。
慌てて業者に電話すると、担当者は悪びれもせずにこう言いました。
「ああ、それは契約書に書いてある通り、事務手数料と調査費用ですよ」
契約書の隅に、小さな文字で書かれていた追加費用の項目。
完全に私の確認不足でした。
結局、手数料と追加費用を合わせると、実質的な負担は20%を超えていました。
金融庁も、ファクタリングを装った高金利の貸付(偽装ファクタリング)に注意喚起をしていますが、まさにその典型的な手口だったのです。
妻からは「なんでちゃんと調べなかったの?」とこっぴどく叱られました。
本当にその通りです。
自分の甘さを、心の底から呪いました。
この失敗から学んだことは、契約書は絶対に隅から隅まで読むということ。
そして、分からない言葉があれば、恥ずかしがらずに一つひとつ質問する。
あなたの会社の大切なお金を守るために、これは鉄則です。
手数料の安さで選んだ3社間ファクタリングの苦い経験
悪質業者との一件で懲りた私は、今度はもっと慎重に業者選びを進めました。
その中で知ったのが、「3社間ファクタリング」という仕組みです。
これは、私の会社とファクタリング会社だけでなく、売掛先の会社も取引に加わる方法です。
売掛先がファクタリング会社に直接支払いをするため、ファクタリング会社にとっては代金未回収のリスクが低くなる。
そのため、手数料が2%〜9%程度と、2社間(8%〜18%程度)に比べて格段に安くなるのがメリットです。
「これだ!」と思いました。
手数料が劇的に安くなるなら、それに越したことはない。
私は早速、3社間ファクタリングを扱っている業者に連絡を取り、長年の付き合いがある取引先に、ファクタリング利用の承諾をお願いしに行きました。
しかし、これが大きな間違いでした。
取引先の社長は、私の話を聞くと、みるみる表情を曇らせていきました。
「田中くん、そんなに資金繰りが厳しいのか?」
「うちとの取引で、そんなに困っているとは思わなかったよ」
私は慌てて「いえ、そういうわけでは…」と説明しようとしましたが、一度生まれてしまった不信感は、簡単には拭えません。
その取引先の社長は、昔ながらの義理人情を大切にする方でした。
彼にとって、ファクタリングの利用は「金の切れ目が縁の切れ目」というような、ドライな印象を与えてしまったのかもしれません。
結局、その取引は承諾してもらえましたが、どこかギクシャクした関係になってしまいました。
以前のように気軽に相談したり、冗談を言い合ったりすることがなくなり、発注の量も少しずつ減っていったのです。
手数料の安さという目先の利益に飛びついた結果、長年かけて築き上げてきた大切な取引先との信頼関係に、ヒビを入れてしまった。
これほど痛い失敗はありませんでした。
それ以来、私はどんなに手数料が高くても、取引先に迷惑をかけない2社間ファクタリングしか利用していません。
ついに発見!手数料5%の優良業者と出会うまでの3つのステップ
数々の失敗を重ね、私は多額の授業料を払ってきました。
しかし、その経験があったからこそ、本当に信頼できるパートナーを見極める目が養われたのだと思っています。
2018年の年明け、私は現在のメインバンクならぬ「メインファクタリング会社」と出会います。
ここに至るまでには、私が実践してきた3つのステップがありました。
今、業者選びで悩んでいるあなたに、ぜひ参考にしてもらいたいと思います。
ステップ1:相見積もりは最低3社!焦りが判断を鈍らせる
「今すぐ現金が必要だ!」
この焦りは、経営者なら誰でも経験があると思います。
しかし、この焦りこそが、冷静な判断を奪う最大の敵です。
最初の失敗で学んだ私は、どんなに急いでいる時でも、必ず最低3社から見積もりを取ることを自分に課しました。
面倒に感じるかもしれませんが、これは絶対にやるべきです。
比較するポイントは、以下の通りです。
- 手数料: もちろん一番重要ですが、表面的な数字だけでなく、追加費用がないかを必ず確認します。
- 入金スピード: 「最短即日」と書かれていても、実際には2〜3日かかるケースもあります。本当に必要なタイミングに間に合うかを確認します。
- 必要書類: 会社によって提出を求められる書類が異なります。準備の手間も考慮に入れましょう。
- 担当者の対応: 電話やメールの応対が丁寧か、質問に的確に答えてくれるか。この段階で「人」となりが見えてきます。
複数の業者を比較することで、手数料の相場観が養われます。
一つの業者の言うことを鵜呑みにせず、客観的な視点で判断できるようになるのです。
焦る気持ちをぐっとこらえて、このひと手間を惜しまないでください。
ステップ2:「人」を見る!私が担当者との面談で必ず確認すること
ウェブサイトの情報や見積書の数字だけでは、その会社が本当に信頼できるパートナーかどうかは分かりません。
私は、必ず担当者と直接会って話すようにしています。
オンライン完結のサービスも増えていますが、会社の将来に関わるお金の話です。
相手の顔を見て、その人柄を感じてから判断する方が、絶対に後悔しないと私は思います。
私が今のパートナー企業の担当者、山田さん(仮名)と初めて会った時もそうでした。
私は、面談の際に必ず確認する「3つの質問」を、彼にもぶつけてみました。
- 「なぜ、この仕事をしているんですか?」
- これは、相手の仕事に対する情熱や哲学を知るための質問です。ただの金儲けとしか考えていないのか、それとも中小企業の助けになりたいという志があるのか。山田さんは「父が町工場を経営していて、資金繰りで苦労する姿を子供の頃から見てきたんです。だから、田中社長のような方をサポートするのが私の使命だと思っています」と、真剣な目で語ってくれました。
- 「御社の一番の強みと、逆に弱みは何ですか?」
- 強みだけでなく、弱みも正直に話してくれるかどうかで、その人の誠実さが分かります。山田さんは「強みは、長年の経験で培った審査ノウハウと、お客様に寄り添う姿勢です。弱みは、正直に言うと、オンライン完結の業者さんのようなスピード感には少し劣るかもしれません。その分、一件一件丁寧に対応させていただいています」と答えてくれました。この正直さに、私は好感を持ちました。
- 「もし私があなたの身内だったら、どんなアドバイスをくれますか?」
- これは、相手がビジネスライクな関係を超えて、本当にこちらの身になって考えてくれるかを見極めるための、少し意地悪な質問です。山田さんは少し考えた後、「もし身内なら、まずはファクタリングに頼らないで済むような資金繰りの改善を一緒に考えます。それでも必要なら、将来的に銀行融資に切り替えられるように、今回の利用がどうすれば信用情報にプラスになるかを考えながら、最適なプランを提案します」と言ってくれました。
この3つの質問への答えを聞いて、私は「この人なら信頼できる」と確信しました。
手数料の条件はもちろん大事ですが、それ以上に「誰と付き合うか」が、長期的に見れば会社の未来を大きく左右するのです。
ステップ3:会社の状況を正直に話す。それが信頼への第一歩
信頼関係というのは、一方通行では築けません。
こちらが相手を信頼するのと同じくらい、相手から信頼してもらう努力も必要です。
そのために一番大切なこと。
それは、会社の状況を正直に話すことだと私は思っています。
山田さんとの面談で、私はすべてを包み隠さず話しました。
過去に悪質な業者に騙されかけたこと。
3社間ファクタリングで取引先との関係が悪化したこと。
現在の財務状況が良いとは言えないこと。
なぜ今、資金が必要なのか、その資金をどう使って会社を立て直そうとしているのか。
良いことも悪いことも、すべてです。
普通なら、少しでも良く見せようと格好つけてしまうかもしれません。
しかし、私は自分の弱さをさらけ出しました。
私の話を黙って聞いていた山田さんは、最後にこう言ってくれました。
「田中社長、すべて話してくださってありがとうございます。社長の本気が伝わってきました。私たちも、本気で御社をサポートさせていただきます」
この瞬間、単なる業者とお客さんという関係ではなく、同じ目標に向かって進むパートナーになれたような気がしました。
正直に話すことは、信頼への一番の近道です。
相手も、こちらの状況を正確に把握できるからこそ、最適な提案ができるのですから。
手数料5%を実現する「信頼関係」の築き方
山田さんの会社と取引を始めてから、もう6年以上が経ちます。
最初の頃の手数料は、確か8%でした。
それでも、以前の20%や15%に比べれば、はるかに良心的な条件です。
そして、取引を重ねるごとに、手数料は少しずつ下がっていきました。
7%、6%…そして今では、2社間ファクタリングにもかかわらず5%という、破格の条件で利用させてもらっています。
これは、単に取引回数が多かったからではありません。
時間をかけて、山田さんと、その会社と、深い信頼関係を築いてきた結果だと確信しています。
継続利用が最大の武器になる – 長期的なパートナーシップの効果
ファクタリングを、その場しのぎの「一回きりの取引」と考えていると、いつまで経っても高い手数料を払い続けることになります。
大切なのは、長期的なパートナーシップを築くという視点です。
継続して利用することで、ファクタリング会社はあなたの会社の事業内容や業績の波、そして取引先の信用度などを深く理解してくれます。
「田中さんの会社なら、この取引先なら、まず間違いなく入金がある」という信頼が積み重なっていくのです。
この信頼こそが、手数料という数字に直接反映されます。
ファクタリング会社にとって最大のリスクは、売掛金の未回収です。
そのリスクが低いと判断されれば、当然、手数料は下がります。
私も、最初は月1回程度の利用でしたが、事業が拡大し、繁忙期には週に1回お願いすることもありました。
その都度、期日通りに売掛先からの入金が行われる。
この当たり前の積み重ねが、何よりの信用になりました。
目先の数パーセントの手数料に一喜一憂するのではなく、信頼できる一社と長く付き合い、自社の信用を育てていく。
これが、結果的に最もコストを抑える方法なのです。
「ありがとう」を伝える – 担当者も人間やからね
これは、ビジネスの基本中の基本かもしれませんが、意外と忘れがちなことやないかなと思います。
それは、感謝の気持ちをきちんと言葉で伝えることです。
急な資金需要で困っている時、山田さんに電話すると、彼はいつも嫌な顔一つせず、「社長、大変ですね。すぐに対応します!」と言ってくれます。
そして、無事に入金が確認できた時、私は必ず電話をして、こう伝えるようにしています。
「山田さん、今回も本当に助かりました。ありがとう」
たったこれだけのことです。
でも、この一言があるかないかで、人間関係は大きく変わると思うんです。
担当者の山田さんも、一人の人間です。
感謝されれば嬉しいし、「またこの会社のために頑張ろう」と思ってくれるはず。
今では、仕事の話だけでなく、お互いの家族の話や趣味の話もするようになりました。
「息子さんの受験、どうなりました?」
「この前の釣り、大物釣れましたか?」
そんな何気ない会話ができる関係性が、いざという時の助け合いにつながるんやないかなと。
ビジネスは、結局のところ人と人との繋がりです。
手数料や条件といった数字も大事ですが、その根底にある信頼関係を育むことを忘れてはいけない。
私の8年間のファクタリング経験で得た、一番の教訓かもしれません。
よくある質問(FAQ)
この記事を読んで、きっとあなたは色々な疑問を感じていると思います。
ここでは、私がよく聞かれる質問について、私の経験を交えながらお答えしますね。
Q: 本当に手数料5%なんて可能なんですか?
A: はい、可能です。
ただし、正直に言うと、誰でも最初からこの条件を引き出せるわけではありません。
一般的に、手数料が低いのは売掛先の承諾が必要な3社間ファクタリングです。
私の場合は、取引先に迷惑をかけない2社間ファクタリングで5%を実現できています。
これは、以下のような要因が総合的に評価された結果です。
- 6年以上の継続的な利用実績
- 取引先(売掛先)が上場企業など信用力が高い
- これまで一度も入金遅延などのトラブルがない
- 担当者との強固な信頼関係
最初から5%を目指すのは難しいかもしれませんが、優良な業者と長期的な関係を築くことで、手数料は着実に下げていくことができます。
諦めずに、まずは信頼できるパートナーを見つけることから始めてください。
Q: 赤字決算なんですが、優良業者を見つけることはできますか?
A: もちろんです。
そこが銀行融資との大きな違いですね。
ファクタリングの審査で最も重視されるのは、あなたの会社の財務状況よりも「売掛先の信用力」です。
極端な話、あなたの会社が赤字でも、売掛先がトヨタやパナソニックのような大企業であれば、審査に通る可能性は非常に高いです。
私も、経営が苦しくて赤字になった年はありました。
しかし、取引先がしっかりしていたおかげで、問題なくファクタリングを利用できました。
「うちは赤字だから…」と諦める必要は全くありません。
まずは正直に状況を話して、相談してみることが大切ですよ。
Q: 担当者と合わないと感じた時はどうすればいいですか?
A: これは非常に重要な問題です。
私の答えは一つ。すぐに担当を変えてもらうか、別の会社を探すべきです。
お金のことで悩んでいる、精神的にも追い詰められている時に、高圧的な態度を取られたり、親身に話を聞いてくれなかったりする担当者と付き合う必要は一切ありません。
そんな相手とでは、絶対に良い信頼関係なんて築けませんから。
「担当者を変えてほしい」と言うのは、少し勇気がいるかもしれません。
でも、あなたの会社の未来が懸かっているんです。
遠慮は無用です。
もし、その会社が担当者変更に応じてくれないようなら、その会社自体があなたにとってのパートナーではなかったということです。
きっぱりと見切りをつけて、次を探しましょう。
Q: オンライン完結の業者と対面式の業者、どちらがいいですか?
A: これは一長一短ですね。
何を優先するかで変わってくると思います。
オンライン完結の業者は、手続きがスピーディーで、手数料も比較的安い傾向にあるのが魅力です。
とにかく1分1秒でも早く現金が必要だ、という場合には有効な選択肢でしょう。
ただ、私の経験から言わせてもらうと、やはり一度は対面で担当者と話すことを強くお勧めします。
先ほどもお話しした通り、相手の顔を見て、人柄を感じてから判断する方が、長期的な信頼関係につながりやすいからです。
機械的なやり取りだけでは、いざという時に親身な相談に乗ってもらうのは難しいかもしれません。
会社の重要な決断ですから、効率だけでなく、安心感も大切にしてほしいと思います。
Q: 契約書で特に注意して見るべきポイントはどこですか?
A: 私が痛い目に遭ったからこそ、ここは声を大にして言いたいです。
最低でも、以下の2点は絶対に確認してください。
- 手数料の内訳
- 基本手数料の他に、「事務手数料」「調査費用」「出張費」などの名目で追加費用がないか、必ず確認してください。見積書に書かれている金額が、最終的に手元に入る金額なのかをはっきりさせましょう。
- 償還請求権(しょうかんせいきゅうけん)の有無
- これは少し難しい言葉ですが、めちゃくちゃ重要です。
- 「償還請求権なし(ノンリコース)」という契約になっているかを確認してください。
- もし「償還請求権あり(ウィズリコース)」の契約だと、万が一、売掛先が倒産して支払い不能になった場合、あなたがファクタリング会社にお金を返さなければならなくなります。
- これは、もはや売掛金の売買ではなく、売掛金を担保にした「借金」と同じです。正規のファクタリングは「ノンリコース」が基本です。
この2点だけでも、契約書に穴が開くくらいチェックしてくださいね。
分からないことがあれば、相手が嫌な顔をしようが、納得できるまで質問し続ける。
その姿勢が、あなたの会社を守ることにつながります。
まとめ
手数料20%というどん底から始まった、私のファクタリング体験。
悪質な業者に騙されかけたり、取引先との関係に悩んだり、本当に色々なことがありました。
しかし、その一つ一つの失敗があったからこそ、今では手数料5%で何でも相談できる最高のパートナーと出会うことができました。
資金繰りに悩む経営者の気持ちは、痛いほど分かります。
夜も眠れないほどの不安、誰にも相談できない孤独感…。
私も、何度も経験してきました。
でも、どうか一人で抱え込まないでください。
この記事でお話しした私の経験が、あなたが信頼できるパートナーを見つけ、会社と家族を守るための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。
あなたの会社には、必ずこの苦境を乗り越える力があります。
諦めずに、前を向いて、一歩ずつ進んでいきましょう。